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うちらならどこまでもいける
まだ世界を知らない少女たちの国境なき旅
安価な航空チケットの流通やスマートフォンの発達により近年海外旅行が一気に身近なものとなった。『TOURISM』は、今を生きる少女たちが観光客として身軽に家を飛び出し、期せずしてシンガポール本来の姿に出会うまでを描く。ニーナを演じるのは宮崎大祐監督『大和(カリフォルニア)』(16)で日本とアメリカを体現する重要な役どころを務め注目が集まる遠藤新菜。スーには「装苑」専属モデルを経て昨年から女優として活躍の場を拡げるSUMIRE。国内外問わず様々な場所で映画制作を続けてきた宮崎大祐監督が今回選んだのは人気の観光スポットであると同時に多民族都市国家として複雑な歴史を歩んできたシンガポールだ。2017 年に自身の体験をもとに製作された本作には、この数年間で失われてしまったシンガポールの幻の風景が映っている。本作はスマートフォンやタブレットなど様々なデジタル・デバイスを駆使して撮影されており、編集後はペドロ・コスタ監督作品で常にカラリストを務めるゴンサロ・フェレイラによって彩色された。
フリーターのニーナ(遠藤新菜)は東京からほど近い地方都市・神奈川県大和市でスー(SUMIRE)、ケンジ(柳喬之)とシェアハウスをしている。ある日、世界中どこにでも行けるペア旅行券の抽選に当たったニーナは、くじ引きで決めた行先・シンガポールをスーと共に訪れる。初の海外旅行であったが、日本とあまり代わり映えしない街並みに少し失望する二人。そんな中、チャイナタウンで携帯電話を失くしたニーナはスーとはぐれてしまう…
CREDIT
遠藤新菜 SUMIRE
柳喬之

監督・脚本:宮崎大祐
撮影:渡邉寿岳
編集:宮崎大祐
録音:高田伸也
スタイリスト:遠藤新菜
へアメイク:宮村勇気
音楽:THE Are Lil’Yukichi
助監督:田中羊一
プロデューサー:Aishah Abu Bakar 宮崎大祐
コー・プロデューサー:Lindsay Jialin Donsaron Kovitvanitcha 遠藤新菜
製作:アートサイエンス・ミュージアム シンガポール国際映画祭 DEEP END PICTURES

©DEEP END PICTURES INC.

2018/シンガポール・日本/カラー・白黒/77 分/16:9/5.1ch
監督・脚本:宮崎大祐(みやざき・だいすけ)
1980 年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2007 年に黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に助監督として参加して以来、フリーの助監督として活動。脚本を担当した綾野剛主演、筒井武文監督作『孤独な惑星』が2011 年冬に全国公開され、話題を呼ぶ。同年、初の長編作品『夜が終わる場所』を監督。サンパウロ国際映画祭、トランシルバニア国際映画祭など世界中の国際映画祭に出品され、トロント新世代映画祭では特別賞を受賞した。2013 年にはイギリス・レインダンス国際映画祭が選定した「今注目すべき日本のインディペンデント映画監督七人」にも選ばれ、2014 年には日本人監督としては実に四年ぶりにベルリン国際映画祭のタレント部門に招待された。2015 年にアジア四ヶ国によるオムニバス映画『5TO9』のうちの一編『BADS』を永瀬正敏主演で監督し、最新作『大和(カリフォルニア)』は20 近い著名国際映画祭で上映され、ニューヨークタイムズやハリウッド・リポーターに絶賛されるなど話題になっており2018 年春より全国公開された。
監督作
『夜が終わる場所』
2011 年 79 分
第35回 サンパウロ国際映画祭2011 ヤング・ディレクターズ・コンペティション部門正式出品
第11回 トランシルバニア国際映画祭2012 コンペティション部門正式出品
第40回 モントリオール・ヌーボー・シネマ2011 インターナショナル・パースペクティブ部門正式出品
第2回 ファンタスティック・ザグレブ国際映画祭2012 オリエント・エクスプレス部門正式出品
第2回 マドリッド国際映画祭2012 非英語圏映画主演女優賞ノミネート
第4回 トロント新世代映画祭2012 審査員特別賞受賞
第14回 ハンブルグ日本映画祭 正式出品作品
第27回 高崎映画祭 正式出品作品
CINE DRIVE2012 正式招待作品
『5TO9』
2015 年 80 分
日本、タイ、中国、シンガポールによるオムニバス映画『5TO9』の日本編を監督
第52回 台北金馬国際影展2015 アジアの窓部門正式出品 NETPAC 賞ノミネート
第26回 シンガポール国際映画祭2015 アジアン・ヴィジョン部門正式出品
第14回 バンコク世界映画祭2016 アジアン・コンテンポラリー部門正式出品
第11回 大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門正式出品
香港インディペンデント映画祭2016 アジアン・インディペンデント・ヴィジョン正式出品
第4回 バルセロナCASA アジア映画週間2016 正式出品
『大和(カリフォルニア)』
2016 年 119 分
第20 回 タリン・ブラックナイト映画祭 フォーラム部門正式出品
第16 回 トランシルヴァニア国際映画祭 ユージュアル・サスペクツ部門正式出品
第45 回 モントリオール・ヌーボー・シネマ パノラマ部門正式出品
第41 回 サンパウロ国際映画祭 インターナショナル・パースペクティブ部門正式出品
第27 回 シンガポール国際映画祭 アジアン・ヴィジョン部門正式出品
第38 回 ダーバン国際映画祭 長編部門正式出品
第8回 カンボジア国際映画祭 正式出品
第12 回 大阪アジアン映画祭 コンペティション部門正式出品
第10 回 アムステルダム・シネマジア映画祭 コンペティション部門正式出品
第11 回 ブリスベン・アジア太平洋映画賞 コンペティション部門正式出品
第12 回 ジョグジャ NETPAC アジア映画祭 コンペティション部門正式出品
第11 回 ワルシャワ・ファイブ・フレイバーズ映画祭 コンペティション部門正式出品
第 5 回 ベルリン・アジアン映画祭正式出品
第10 回 香港インディペンデント映画祭正式出品
第17 回 台南・南方影展正式出品
第17 回 フランクフルト・ニッポン・コネクション映画祭 ニッポン・ヴィジョンズ部門正式出品
第11 回 ニューヨーク・ジャパン・カッツ映画祭正式出品
第19 回 ハンブルグ日本映画祭正式出品
マカオ閒人電影院2016 正式出品
脚本作
『ひかりをあててしぼる』 2016 年 坂牧良太監督作品
『ひ・き・こ 降臨』 2014 年 吉川久岳監督作品
『孤独な惑星』 2010 年 筒井武文監督作品
ニーナ:遠藤新菜(えんどう・にいな)
1994 年10 月3 日生まれ。父親はイギリスとアイルランドのハーフ、母親は日本人。2013 年に『海にしずめる』(田崎恵美監督)で映画初出演にして主演デビュー。2014 年「第45 回『non-no』モデルオーディション」をきっかけに、同誌専属モデルとしても活動をスタートさせた。近年の作品に『Starting Over』(14 西原孝至監督)、『白魔女学園 オワリトハジマリ』(15 坂本浩一監督)、『やるっきゃ騎士』(15 平林克理)、『無伴奏』(15 矢崎仁司監督)などがある。宮崎大祐監督作品『大和(カリフォルニア)』では、日本にやってきた日米ハーフのレイ役を務める。また自身のボーイフレンドでありラッパーのJP THE WAVY の最新MV「Just A Lil Bit」では監督をしている。
スー:SUMIRE(すみれ)
1995 年7 月4 日生まれ。2014 年から『装苑』専属モデルとして活動を開始し、ファッションを中心にCM やショートフィルムなど様々なジャンルで活躍する。2018 年『サラバ静寂』(宇賀那健一監督)でヒロインを演じ、女優デビューを果たす。そのほか主な出演作に『リバーズ・エッジ』(18 行定勲監督)などがある。
ケンジ:柳喬之(やなぎ・たかゆき)
1990 年8 月6 日生まれ。2012 年『喫茶ボギー』で舞台デビュー、「Asia Model Festival Awards 2013 NEW STAR MODEL」で審査員特別賞を受賞。以来、モデル活動を中心に、映画、テレビドラマ、舞台と活躍の場を拡げてきた。主な出演作に『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』(14 矢口史靖監督)や『イン・ザ・ヒーロー』(14 武正晴監督)、『仮面ライダーゴースト』(15~)などがある。現在は拠点をニューヨークに移し、活動を行なっている。
撮影:渡邉寿岳(わたなべ・やすたか)
1985 年生まれ。映画の撮影のみならず、舞台の撮影やミュージックビデオまでと、その活躍の幅は広い。2016 年に撮影を務めた『いさとなり』(藤川史人監督)は、PFF アワード2015 観客賞&日本映画ペンクラブ賞のW 受賞を果たし、バンクーバー国際映画祭を始めとした世界各地の映画祭で上映される。主な撮影作品に『VILLAGE ON THE VILLAGE』(16 黒川幸則監督)、『夏の娘たち ひめごと』(17 堀禎一監督)、『王国(あるいはその家について)』(17 草野なつか監督)、『VIDEOPHOBIA』(19 宮崎大祐監督)などがある。
録音:高田伸也(たかた・しんや)
2016 年『64 ロクヨン』(瀬々敬久監督)で日本アカデミー賞優秀録音賞を受賞。そのほか主な作品に『人のセックスを笑うな』(08 井口奈己監督)、『ローリング』(15 冨永昌敬監督)、『ディストラクション・ベイビーズ』(11 真利子哲也監督)、『ディア―ディア―』(15 菊地健雄監督)、『菊とギロチン』(18 瀬々敬久監督)などがある。
製作のきっかけ
2015 年から毎年シンガポール国際映画祭に招待され、東南アジアのクリエイターと交流を深めていく中で、2017 年の頭にフェスティバルディレクターから「今年の映画祭に向けて現代美術の展示をしませんか?」とお話をいただきました。内心、なぜ映画バカの僕が突然現代美術の展示を?と戸惑いもありましたが、僕が若いころ音楽や美術作品を制作していたことを以前お話ししたことがきっかけになったようでした。映画祭が、スポンサーでもある“アート・サイエンス・ミュージアム”と初めて行うコラボレーション企画の展示依頼で、「現代美術の展示である上に映画祭と関連づけた映画っぽい作品を」という難しい課題の企画書を1 週間ほどで仕上げなくてはなりませんでした。急な依頼だったため当初はアバウトな企画書でしたが美術館では着々と大工事が進行し『SPECTORS AND TOURIST:亡霊たちと観光客』という展示タイトルで、特殊な3面スクリーンを使い過去作品のミックス映像を上映し、郊外に幽閉された人々がテーマの「亡霊の部屋」とそこからの逃亡をテーマにした新作を上映する「観光客の部屋」を作り上げました。新作映像には短編を予定していましたが、これを機に新作を撮りたいという欲もあったので、話し合いとブラッシュアップを重ねて現在の『TOURISM』の元となる映像作品(約60 分尺)を製作しました。結果として展示には延べ1 万人以上が来場し、声がかかってから終演まで、自分でも幸運で奇妙な体験をしたと思っています。作品自体も撮影した素材も権利をいただくことができたので、展示が終わってからも編集を続けていきました。
キャスティング
時間も限られていましたし、スケジュールが流動的である中で見ず知らずのキャストを招いて進めていくのではなく、ある程度分かり合っているふたりを知らない景色に連れていき演出をするということを念頭にキャスティングを進めていきました。普段仲良くしている遠藤新菜さんを主演にしようとは考えていたので、さまざまなバランスからプライベートでも交流があるというSUMIRE さんにオファーを出したら快く引き受けてくれました。初日は皆さんの癖や関係性を見るために数時間リハーサルをしましたが、あとは現場で話し合いながら撮り進めました。
撮影期間
製作の開始は2017 年7 月からで、東京での撮影は1.5 日、シンガポールは4 日間フルで撮影をし、クランクアップしてからすぐに空港へ向かうようなギリギリのスケジュールでした。成田空港でのシーンは僕がシンガポールと日本を行き来していた関係で不在の撮影となり、事前にカット割りを伝えておいてから準備を進めて当日は電話などを駆使し遠隔演出を行いました。一方シンガポールでは到着してからほとんどがゲリラ撮影で、隠しカメラのような状態で撮影をしました。シンガポールでは何ヶ月も前からロケ地を交渉し、許可を取り進めていくのが普通ではあるので、各所であつかましく撮影してあっさりと帰国する僕らに当地の関係者は驚いていました。撮影の渡邉寿岳くんはこの作品の前に一度MV を撮ったことがあり、良いなと思っていました。その渡邉君から手渡された黒川幸則監督の『VILLAGE ON THE VILLAGE』を観て、その自由さと不思議さがなんとも面白くて今回の撮影をお願いしました。撮影前に観た作品に関しては、自称アメリカ映画原理主義者として今までは恥ずかしくてできなかったフランスのヌーヴェルヴァーグ的なことに今回の作品ではチャレンジしようと思っていたので、自分の中では、日本でそういうことにチャレンジされている冨永昌敬監督や瀬田なつき監督の作品を見直したりしていました。二人の少女が旅に出てから、“旅”の過程で2017 年の日本の社会的背景や、比べて同時にシンガポールの情勢を感じられることもテーマだったので現代美術家のアイ・ウェイウェイの作品も少し参照にしましたね。撮影機材としては今のデバイスを日本映画にありがちな舞台裏ネタ的なことではなく、アメリカのコメディ映画のようにライトに使っていくためにiPhone やiPad などコマ数が違うものもじゃんじゃん取り入れていきました。編集段階でそれらを混ぜていくことはすごく大変な作業ではありましたが、コマ落ちやノイズが走ってしまうこと自体もこの作品のアジであり重要なポイントです。渡邉くんが持ってきてくれたカメラはBlack Magic Pocket というiPhone サイズのもので、そこに60 年代のフランスのレンズを特殊なアダプターでつけています。それが作用してフィルムっぽい質感や8mmフィルムで撮っているようにも見えるし、デジタルで撮っているようにも見えるような画になりました。
ロケーションハンティング
僕は今まで制作した作品がすべてつながっているつもりで毎回撮影しているので、『TOURISM』は『大和(カリフォルニア)』から地続きで、「大和」の舞台となった地域の近所に住んでいる似たような境遇の少女たちが旅に出る作品にしようと考えました。ですから、劇中で3人が住んでいる家の中は実際には横浜なんですが、それ以外は基本的に大和市で撮影を行いました。シンガポールは厳しいセキュリティー下でのゲリラ撮影を行っていくことになることが事前にわかっていたので、どのシーンをどのデバイスでどう効率よく撮影するか、それでいて新味のある演出ができるかを入念に検討して撮影していきました。僕自身は旅をするときに、観光地を巡るだけでなく現地の人と深く関わることが好きでして、この映画には多くの実体験が投影されています。劇中では少し違う演出になっていますが、突然のスコールに打たれ携帯が壊れて迷子になったり、民家で突然ライブが始まったりというのは実体験です。はじめて訪れたときは過剰に整備されていて、そんなに面白味を感じなかったシンガポールですが、毎年通っているうちに華僑やムスリムやインド系、そして日本人が入り乱れているシンガポールが東南アジアの縮図のように見えてきて、次第に面白みを感じるようになりました。そんな中、「大和」の上映を通じ知り合った現地在住の中山雄太さんからは様々な知見を得ました。ある夜、「シンガポールのダーク・ツーリズムに行きますか?」と、清潔に見えるシンガポールの中でも社会問題が吹き出ているようなスポットに片っ端から連れて行っていただいて、様々な撮影候補地を見出すことができました。劇中でも遠藤さんが佇むバス停は国境を越えてマレーシアに行くためのバス乗り場で、シンガポールに居住できない貧しい人々がマレーシアに毎日シンガポールでの仕事を終 えた後に帰るために集まる場所です。現地スタッフからすればなんの面白みもないごく日常的な風景だったようですが、彼らの当たり前を僕らは当然知らないわけで、そういった異邦人としての視点を映画に持ち込むのは外国人にしかできないことなので、当然現地の方々に敬意は払いながらその辺は意識的にやっていきました。また、中華街やリトル・インディアの出店、カラフルなアパート群などはシンガポールの急速な都市開発、ジェントリフィケーションによって今はすべてなくなっていて、今となっては映画の中にだけ残る幻想のようです。
編集作業
アート・サイエンス・ミュージアムでの展示の際に上映されたバージョンから20 分ほど上映時間が延びたバージョンへ、その後大阪アジアン映画祭などを経て上映の度に細かく修正を重ねていきました。大阪アジアン映画祭での上映が終わってから、画に東南アジア独特の色味が出ていないことがずっと気になっていて、『5TO9』の際に知り合ったマカオ人の映画制作者に相談を持ちかけたところ、ゴンサロ・フェレイラというペドロ・コスタのフィルム時代からのカラリストを紹介してくれました。(新作『VIDEOPHOBIA』でもゴンサロがカラリストを担当)カラコレ前の素材は、西洋人からみるとどちらが日本でどちらがシンガポールなのかわからないほど景色や全体の雰囲気が似通っていると指摘されました。これは狙いでもあったけれど、「同じだけど違う」というテーマを強調するためにも、ゴンサロが清潔感を維持しつつも視覚的にハッキリと隔たりを持たせてくれました。ケバケバしくもかっこよく、現代的な、他で見たことがない色になったと思っています。デバイスを幾つもまたいだにも関わらず安心して見られるのもゴンサロのお陰です。 本編の編集は、ほぼすべて僕が行っています。今までは周囲から作品に対して客観的な視点を持つことを勧められることが多く他の方に編集をお願いしてきましたが、僕自身編集が嫌いなわけでもないので今回は珍しく自分でやってみることにしました。初めて撮影前に曲をいただいたこともあり、曲に合わせて演出したり編集したり、足りないと思うカットは後日またシンガポールに仕事で行く機会を利用して自分でカメラを担いで撮りに行ったりなど、今までしていなかったアプローチもしました。『TOURISM』の仕上げ作業の面白いところは、スタッフがほぼ顔を合わせず進行していったことです。素材の受け渡し、グレーディング(色調整)、音、ほとんどの作業をネット上で行っていきました。高田さんが昼は他の現場をやりながら夜に整音したデータを送ってくださって、編集した作品も動画リンクを共有して意見をもらって、リスボンやマカオでグレーディングをして、PC 上で作品が完成していったのです。本来の進行方法であればスタジオにスタッフ皆がいちいち集まって進行していく作業ですが、コスト・労働力対策としても今回は現代的な方法で自由に進めることができましたし、それでそれなりに上手くいった手ごたえがあるので、また更に映画作りが身近なものになったような気がします。そんなこともあり、近年、以前よりもある意味図々しく撮影ができるようになりました。映画制作はかくあるべきみたいなものからだいぶ解放されつつあります。また、ある程度無理を言ってでも納得行くまで追求すべきポイントが分かってきたような気がします。タイのミュージシャンの友人に言われた「日本人はなんでも100%を追求しすぎるのよ。おかれた状況でやれることをやりながら、好きなことからだけは離れないで生きていくのが人生よ」という言葉を忘れないようにしながら、毎回違う状況に対応し、自分なりの映画制作の楽しみ方をこれからも追求していけるといいですね。